2017年6月4日

化粧品より医薬部外品の方が良いのか?

投稿者: sentakubiyori_k

 ちょっと検索をかければ、ゴロゴロ出てくる「医薬部外品」と「化粧品」の違い。
 定義上の違いは明らかですが、説明元の立場によって見解が異なるのが面白い「医薬部外品」と「化粧品」。
 化粧品を売る側のメーカーではなく、使う側のエステティシャン目線(=知識ある消費者目線)で「医薬部外品」と「化粧品」を解説します。

■目次

■医薬部外品とは?

 医薬品は明確な効果とともに副作用の恐れもあるもの、化粧品は「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの」(薬事法による定義より)をいいます。
 医薬部外品はその中間に位置するもので、行政によって審査承認され、医薬品未満の効果を謳うことができる商品のことを言います。
 化粧水や美容液、頭髪化粧品のほか、整腸剤、歯磨き粉、などさまざまな商品があります。
 医薬部外品のなかで、特に化粧品のような使い方をするものを「薬用化粧品」と呼ぶこともあります。

■医薬部外品は化粧品より優れているの?

 一概にそうとは言えません。
 美白作用、コラーゲンの産生促進、過酸化抑制など、さまざまなすぐれた美容効果を持ち、美容皮膚科やエステサロンでも大活躍のビタミンC(誘導体)ですが、こちらも医薬部外品となり得る有効成分のひとつです。ただし、医薬部外品(薬用化粧品)における濃度は3%が上限。
 しかしながら、化粧品でビタミンC(誘導体)を3%以上含む製品はたくさんあります。
 この一例だけでも分かるとおり、効果を謳える医薬部外品の方が必ずしも優れているとは言いがたいのです。

*美容(訴求)成分と濃度
 美容(訴求)成分は濃度が高い方が、働きが分かりやすいです。
 ではどのぐらいから「濃度が高い」というのでしょうか?
 比較的変化が分かりやすい成分であるピーリング剤(グリコール酸、フルーツ酸など)を例にあげて思い返してみると、だいたい5%ぐらいからはっきりと美容成分の存在を感じます。
 10%を超えるとかなり「高濃度」と考えてよいでしょう。
 15%を超えてくると、成分にもよりますが、美容効果だけでなくリスクを伴うことも増えてくるように感じます。
 濃度が高ければ確かに成分のプラス面は感じやすくなりますが、高すぎると同時にマイナス面も出やすくなり、扱いが難しくなってきます。

 また、審査承認されている医薬部外品の実際の効果と、消費者に向けて訴求している効果にギャップが目立つ商品も少なくありません。
 たとえば頭髪用化粧品では、医薬部外品でも「養毛」「育毛」効果を謳うことはできません。
 美白化粧品ではたとえ医薬部外品であっても「シミが薄くなる」「消える」効果を表記することもできません。
 そのような効果が科学的なエビデンスとともに認められている成分がないからです。
 にも関わらず、まるでそれらの効果があるかのように誤認させるような商品も目にします。

■医薬部外品の存在意義は

 現状では、商業的な理由が大きいのではないでしょうか。
 化粧品と違って特定の効果を謳うことができるため、商品が宣伝しやすい、実情はよく知られていないものの「何となく良さそう」なイメージが先行しているため、消費者に手に取ってもらいやすいということがあるようです。
 医薬部外品は性能に優れている、というよりは「売りやすい」から普及していると私が感じる理由に、業務用メーカーにおける医薬部外品の少なさもあります。
 一般向け化粧品に比べ、業務用製品は効果(本当は効果って言っちゃいけない…)や目的に合わせて細分化されています。
 例えば、ひとつのメーカー、ひとつのレーベルで美容液だけで4~5種類、全てのレーベルを合わせると1メーカーで数十種類もの商品がある、なんていうのはザラです。
 真っ当なエステサロンであれば、それらの使い方や機能を把握したうえで、店の事情とお客様の事情に合わせて使い分けています。
 ですが、業務用メーカーの化粧品――特に施術用商品に「医薬部外品」は非常に少ない。
 そして同じメーカーのものでも販売用(小売用)になると、急に増えるのです。
 このあたりの事情から、医薬部外品(薬用化粧品)は販売戦略のひとつとして活用されているのではないか、と考えます。
 いかがでしょう。
 医薬部外品だから安心、効果が高いということは必ずしもなく、逆もまたありません。
 何のために化粧品や医薬部外品を使いたいのか、まずは目的や方向性を明確にし、そのうえで正しい知識に基づいて商品をお選びいただくのがよろしいかと思います。
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